01
本機組立
Main unit assembly
工作機械の組立を行っています。
立形マシニングセンターの基本精度である直交3軸(X軸、Y軸、Z軸)の直角度、それぞれの軸の真直度を測定し、許容値内となるよう調整します。
また高速回転する主軸の中心線とZ軸との平行度を許容値内に調整する作業は経験と熟練を要する作業で、私が担当しています。
澤さん
02
電装作業
Electrical work
工作機械の電装作業を行っています。
制御箱から出ている電線を操作ペンダントに繋ぎ、また主軸モーターや、X,Y,Z軸を動かすモーターへの動力線、各種検出装置へのセンサー線、油圧・空圧機器への配線など多くの電線類を繋ぎます。
配線完了後は電源をつなぎ、現調作業を行います。配線作業が正しかったかを確認します。手順に従い信号の有無を確認しながら、一つ一つの動作を確認します。
兼松さん
私の担当する工作機械の電装作業は、万が一空き端子や動力線の繋ぎ忘れなどがあると、機械を壊してしまう恐れがあり、感電など大事故にも繋がりかねない為、慎重に正しく確実に行う必要のある作業です。
先輩からこの仕事を教えて頂く時に、まず―作業一確認で確実な作業を厳しく教え込まれました。そして私が慣れてくると、次に“誰が見ても美しい配線”をと先輩に言われました。正確に慎重にとは少し違うように思え、正直戸惑いましたが、”美しい配線”を目指して配線作業を進めるうちに言われた意味が分かってきました。美しい配線とはムダの無い配線で、毎回同じ経路を通し、同じ場所で線をまとめることが必要です。美しさを意識することで、理想の配線のイメージが出来、もし部分的にでも異なる配線があると見ただけで違和感を感じるようになりました。
私自身美しい配線を意識し、1本1本丁寧な作業が出来るようになったと思います。そして丁寧な作業でも逆に作業時間が少し短縮できていることに驚きました。新たなオプション追加など試行錯誤もありますが、それでも配線が美しく仕上がった時の嬉しさはこの仕事のやりがいを感じます。順に生産量が増え、後輩が出来ました。
自分が作業した配線を手本にして“誰が見ても美しい配線”の方法を後輩に伝えていく事も、新しいやりがいの一つになっています。
03
産機組立
Industrial assembly
主にローダー(無人化・自動化機器)の組立を行っています。
ローダーとは1台または複数台の工作機械とセットで設置され、材料テーブル、完成品テーブルを組合わせて、長時間の無人加工を目的で使用されます。工作機械に加工前の材料を供給し、そして加工後の製品を取り出して、次の素材を供給します。
加工する部品の形状などにより、反転装置、OK/NG判定装置など、色々なオプションへの対応が求められます。
黒田さん
私は主に無人化・自動化システムの組立を担当しています。
NC工作機械はプログラムを実行することにより数分から数時間の無人運転を行いますが、その工作機械に加工材料を供給し、加工スタートさせ、加工が終わったら完成品を取り出して完成品テーブルに置く、そして新たな加工材料を供給する。工作機械を何時間も途切れることなく動かす仕組みが無人化・自動化のシステムです。
このシステムに要求されるのはスピードと耐久性です。実際に加工を行う工作機械を待たせてはいけません。材料テーブルから完成品テーブルまで長い距離を猛スピードで移動し、その途中で工作機械との材料もしくは完成品の受け渡しをします。スピードと耐久性を実現するためには組立に対し必要な精度が求められます。工作機械のように1000分の1ミリとは言いませんが、少なくとも100分の1ミリの精度が必要です。スピードと耐久性の実現には隙間とその隙間の均一性が必要です。その管理は部品と部品を滑らせる手の感覚が必要です。
私のもう一つのこだわりは納期遵守です。繁忙期には、必要な加工部品や板金部品など納入遅れが発生しがちです。それを防ぐため製造管理の担当や前工程の部品加工、そして協力会社の方とのコミュニケーションを取るよう心掛けています。本当に必要時期を伝えたり、そろそろ加工スタートして下さいとタイミング良く声を掛けるようにしています。納品状況などを把握して事前準備を徹底するなどして納期を守る努力をしています。
精度との戦い、納期との戦い、その全てがこの仕事における私の責任と誇りです。
04
部品加工
Parts Processing
主にNC円筒研削盤を用いて機械部品の仕上げ加工を行っています。
寸法精度が厳しい箇所、表面粗さの指定があるものなど、部品の最終仕上げの研削加工を行っています。
日比野さん
私の仕事は研磨と呼ばれる、加工部品の外径や端面を砥石で削る仕上加工です。
前工程の方達が努力してきた加工部品を製品に仕上げをする主に最終工程です。ミスは許されません。
NC円筒研削盤という機械を使い、プログラムを入力して加工させますが、同じ品番で前に加工したプログラムをそのまま使って加工しても、前と同様に仕上がるとは限りません。朝と夜の温度の違いなどでも加工寸法は変わりますし、研削水の温度や掛かり方、砥石の状態によっても仕上げ面の光沢に影響します。1つだけの単品加工か、数が多いロット加工かでも寸法や仕上がり面が違うことがあります。
そんな中、安定した高い精度と作業のスピード、効率化の追求は加工担当の使命だと思っています。日々の努力を怠ってはいけないと思っています。どんなに仕事に慣れてきても自分に傲らず、常にベストを更新し続ける心がける事、これは先輩から受け継いだ教えです。
05
産機技術
Industrial technology
設計者が描いた組立図とそれに使用される部品図、部品構成表を整え、製作・購入の手配リストの作成を担当しています。
またお客様に提出する資料の取り纏めを行います。お客様が海外の場合は翻訳を行います。
佐口さん
私の仕事は、設計士が描いた組立図に使用されている部品図の番号を書き込み風船を上げ(組立図の中の1つの部品から線を引き、部品番号やリスト番号を記入すること)、組立図を完成させる事です。
各部署で使われる部品の手配準備になる作業の為、正確さとスピード感を意識して仕事をしています。
特に気をつけているのは“間違いをしない事”です。古いデータを参考にしたりする際、部品番号が現在の番号とは異なっているものもある為、部品番号の記入には細心の注意を払っていますし、手配用部品図に必要個数を手書きするようにする事で個数間違いの防止にも努めています。
また、翻訳ソフトを用いた資料の翻訳なども私の仕事の一環です。これら100枚以上にも及ぶ資料の作成をいかに早く終わらせるかが日々の仕事のやりがいであり、私の努力目標です。
私は高校卒業後すぐに神代鉄工所に入社し、もうすぐ25年になろうとしています。
高校が普通高だったので当初は工作機械について何も分からず、先輩方が一つ一つ丁寧に教えてくれました。今は立形マシニングセンターの精度調整を任されています。
機械精度の基本となる直角度、平行度を1000分の1ミリの精度で調整します。精密な測定器を使用して正確に測定することが基本です。また私が担当するのは組立工程の初期工程の精度調整で、これから順に組み付けられる重量ユニットにより精度は変化するため、その傾向を予測して最終精度が規定値内となるよう、現時点での目標値定めて精度調整を行います。
長年の感覚がものをいう仕事です。先輩方から引き継ぎ、そして私もようやくその感覚がわかるようになってきたところです。
私が携わった機械が製品となってお客様に購入頂き、そしてその機械を使用して何かの部品を加工する。高精度で高効率に加工出来れば、きっとお客様に喜んで頂けると思います。私は自分の仕事の先にいるお客様の笑顔を想像するとやる気が出てきます。
その為にはまず自分がいつも笑顔でいること、これを心掛けて仕事にも取り組みたいといつも思っています。それが私のやりがいとなり、生きがいとなっています。